放棄した慰謝料を請求することはできるのでしょうか?
■慰謝料の放棄とは
慰謝料の請求権を放棄することは、民法の言う債務の「免除」にあたります。
したがって、一度免除した慰謝料について、再び請求することは難しいといえます。
しかし、その免除が、例えば錯誤(=勘違い:民法95条)や、詐欺や強迫(民法96条)などにあたる場合、その免除を取り消したり、無効だと主張することは可能です。
■妻(夫)への免除と不倫相手との免除
民法437条は、「連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。」と規定しています。
つまり、不倫をした自分の妻または夫に慰謝料の支払いの免除を許した場合、その分不倫相手も払わなくてもいいように思えます。
しかし、不貞行為や浮気などの不法行為を行った、共同不法行為者が負担する損害賠償債務については、民法437条は適用されないと考えられています。
よって、自分の妻または夫に慰謝料の支払いを免除したからといって、その分不倫相手が支払わなくてもいいということにはなりません。
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放棄した慰謝料の請求権
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