離婚して子どもと暮らす親は、子どもの育児にかかる費用を暮らしていない親に対し養育費を請求することができます。
今回は、養育費を増額してほしいときに、どのような理由であれば認められるのかについて考えていきたいと思います。
養育費とは?
養育費とは離婚後に子どもと同居している親が非同居親から受け取る子どもの生活費や教育費のことを指します。
養育費に含まれる具体的な費用として、子どもの食費や衣服代、医療費、学費など、子どもの成長に必要なお金があります。
養育費は経済的に自立していない子どもに対して支払われる費用なので、子どもの進路によって支払い修了時期を変えることができます。
子どもの年齢が低い場合には、高校を卒業する18歳に達する時期までの支払い額を決め、その後の費用については別途協議するといった内容で取り決めることが多いです。
また、養育費の金額は基本的に両親の話し合いによって自由に決めることができます。
とはいえ収入に見合わない高額な養育費を取り決めた場合、滞納のリスクが高くなるので裁判所が公表する「養育費算定表」をもとに決定することが一般的です。
養育費の増額が認められるケース
養育費の金額は一度決めたら変更できないわけではなく、事情の変化によって増額が認められるケースがあります。
代表的な例として、以下のような場合が挙げられます。
- 養育費支払い義務者の収入が大幅に増加した場合
- 子どもの教育費が想定以上にかかる場合
- 子どもと同居している親の経済状況が著しく悪化した場合
ただし、養育費の増額は一方的な意思表示によって決定するわけではありません。
そのため、増額したい場合には、まず相手方と連絡をとり、当事者同士の話し合いによって増額することを目指すことになります。
当事者同士の話し合いでまとまらない場合は調停を検討しよう
養育費の増額を行うには支払い義務者の同意が必要であるため、まずは当事者同士で話し合いを行う必要があります。
とはいえ、離婚から相当数の時間が経過していたり、相手方の環境の変化によって増額を拒否されたりするケースもあります。
養育費の増額に相手方が応じない場合には、家庭裁判所で「養育費請求調停」を申し立てることも手段のひとつです。
養育費請求調停では、男女2人からなる調停委員が調整役となり、養育費について話し合うことができます。
まとめ
今回は養育費を増額してほしいときに認められる理由や相手方が増額の求めに応じないときの対処法などについて考えていきました。
養育費は法律上、親であれば必ず支払うべき費用であるにも関わらず、不払いが多く発生しているお金でもあります。
自力で解決することが難しいケースもありますので、困ったときには弁護士に連絡することを検討してみてください。