050-3138-4664
受付時間:
平日10:00~19:00

【弁護士が解説】特別縁故者申立ての流れ

  1. MYパートナーズ法律事務所 >
  2. 相続・遺言に関する記事一覧 >
  3. 【弁護士が解説】特別縁故者申立ての流れ

【弁護士が解説】特別縁故者申立ての流れ

被相続人が死亡した場合、相続が発生します。
相続とは、被相続人が死亡時に有していた財産や、帰属していた債務について、包括的に相続人に承継することをいいます。
死亡した者には権利義務が帰属しないため、帰属先の失った財産や負債は、相続人に承継されます。

誰が相続人になるかは法律上定められており、配偶者は常に相続人となり、第1順位の相続人が子ども、第2順位の相続人が親、第3順位の相続人が兄弟姉妹となっています。

では、相続人となる者がいない場合や、判明しなかった場合、遺産はどうなるのでしょうか。

この点、特別縁故者にあたる者からの申し出があり、裁判所が特別縁故者と認めれば、遺産の全部または一部を特別縁故人に与えることができます。

そして、特別縁故者もいないような場合には、遺産は国庫に帰属します。

特別縁故者申立ての流れ

① まず、相続人があることが明らかではない場合、相続財産は法人とします(951条)。
すなわち、承継先が見つからない以上、まずは財団法人としての実体を備えるということです。

②次に、利害関係人や検察官の請求によって、相続財産の清算人を家庭裁判所が選任します(952条1項)。
そして、これを選任したとき、家庭裁判所は遅滞なく、相続財産清算人を選任したこと、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告します。

③②の公告があった場合、相続財産の清算人は、すべての債権者と受遺者に対し、2週間以上の期間を定め、その期間内にその請求の申し出をすべき旨を公告します(957条1項)。

④②で定めた期間内に相続人としての権利を主張するものが現れなかった場合には、当該期間の満了から3か月以内に特別縁故者は申し立てを行うことができます(958条の2第1項2項)。

⑤特別縁故者であることが家庭裁判所によって認められれば、家庭裁判所の決定により、遺産の全部または一部を受け取ることができます。
逆に、特別縁故者として認められなかった場合や、そもそも特別縁故者として請求の申し立てを行った者がいなかった場合には、相続財産は国庫に帰属します。

特別縁故者と認められるためには、「被相続人と生計を同じくしていた者」にあたる事が求められます。
例えば内縁の妻・夫、これらの者との間の子で認知していない者が挙げられます。
また、「被相続人の療養看護に努めた者」も特別縁故者と認められますが、看護師や家政婦など、金銭を受け取って療養看護に努めた者はこれにあたりません。
最後に、「その他被相続人と特別の縁故にあった者」が挙げられますが、これは当該具体的な事情から判断せざるをえません。

相続・遺言に関する問題はMYパートナーズ法律事務所におまかせください

上述のように、相続が発生すると相続財産は所有権の帰属先を失うため、何らかの形で承継されます。
承継先は原則として相続人と受遺者(遺贈を受けたもの)ですが、例外的な場合に限り、特別縁故者にあたり、財産を取得できます。

もっとも、自身が特別縁故者にあたるのかどうかの判断は容易ではありません。
文言上「療養看護に努めた者」にあたりそうですが、金銭の取得をしていたために認められないことがあるように、要件の検討は専門的な知識が求められます。
そのため、特別縁故者にあたるとして請求を申し立てる際には、弁護士に相談することが好ましい場合もあります。

MYパートナーズ法律事務所は、東京都荒川区を中心として、相続・遺言などの問題でお悩みの方からご相談を承っております。
お悩みの方は、MYパートナーズ法律事務所までお気軽にご相談ください。
幅広い経験を持つ弁護士が、丁寧にご対応いたします。

MYパートナーズ法律事務所が提供する基礎知識

  • 離婚後の氏と戸籍

    離婚後の氏と戸籍

    ■離婚後の氏と戸籍 結婚で苗字が同じになるということを知らない人はいないでしょうが、離婚後の氏と戸籍に...

  • 財産分与はいつまで請求できるのか

    財産分与はいつまで請求...

    離婚が成立してしばらく経つと、金銭関係の手続き漏れやミスが気になってくるものです。「年金分割をし忘れた...

  • 行方不明の相続人がいる場合の対処法

    行方不明の相続人がいる...

    両親などが亡くなってしまった場合には、相続によって財産を譲り受けることになります。 しかし、その...

  • 子供の養育費

    子供の養育費

    ■養育費とは 養育費とは、未成年の子どもの生活費や学費など、日常生活に必要な費用です。 養育費を負担す...

  • 遺産分割協議はいつまでに行うべき?遅らせるデメリットは?

    遺産分割協議はいつまで...

    両親や配偶者といった者が亡くなった際、相続する財産等を決める遺産分割協議を行うことがあります。 ...

  • 親権と監護権

    親権と監護権

    監護権とは、子供の住む場所を指定し、身の回りの世話や教育、しつけを行う権利です。この監護権と財産管理権...

  • モラハラ(モラルハラスメント)相手との離婚方法

    モラハラ(モラルハラス...

    モラハラ(モラルハラスメント)とは、言動による精神的な嫌がらせのことを言います。 モラハラの被害を受け...

  • 財産分与とは

    財産分与とは

    離婚に伴う財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を離婚に際して分与することをいいます(民...

  • 協議離婚

    協議離婚

    夫婦間の話し合いでの合意により成立する離婚を協議離婚といいます。 協議離婚は夫婦同士が離婚に納得すれ...

ページトップへ