配偶者が最近、スマホを隠すようになった、常に肌身離さず持ち歩くようになった
など、浮気や不倫を疑ってご相談いただくことがあります。
そうしたときにLINEやメールだけしか証拠がない場合では、慰謝料を請求できるのでしょうか。
今回は、LINEやメールだけの関係で浮気・不倫の慰謝料は請求できるのかについて解説します。
◾️慰謝料を請求できるかできないかの基準
慰謝料を請求するためには、不倫が夫婦関係を破壊したものだと認められる必要があります。
夫婦関係を破壊したと認められるには、肉体関係を持っていたという不貞行為の証拠が必要となるのが一般的です。
そのため、やり取りの内容にもよりますが、一般的なLINEやメールだけの関係では慰謝料を請求することは難しいのが現状です。
しかし、過去の判例では不貞行為が証明できないケースにおいて慰謝料の請求が認められたものもあります。
不貞行為が証明できない場合に慰謝料の請求が認められるためには、通常の男女交際の範囲を逸脱しており、夫婦関係を破壊した原因となったと判断される必要があります。
慰謝料の請求が認められるかは、その事例の具体的状況によって左右するため、慰謝料の請求が可能かどうかを確かめるには弁護士に相談することをおすすめします。
◾️証拠集めの仕方
慰謝料の請求には証拠が必要不可欠です。
LINEやメールの文書を証拠化するためには、画面をそのまま写真をとることをおすすめします。
LINEは、トーク履歴を保存することも可能ですが、相手方から「これは加工されたもの」などと否定されるリスクがあるからです。
同様の理由から、写真を撮る際には以下のポイントに注意してください。
・スマホやパソコンなどの本体機器も一緒に写す
・送信日時や送信者が分かるようにする
・長文の場合は、前後の順番が分かるようにする
ただ、LINEやメールを勝手にみるという行為はプライバシー権の侵害に当たる場合があり、損害賠償請求を受ける可能性があります。
さらに、パスワードが設定されている場合に、盗み見た場合は、不正アクセス禁止法に触れるため、刑事罰に科される可能性もあります。
実際に告訴される可能性は高くはありませんが、不安な点があれば弁護士に相談することをおすすめします。
また、LINEやメールだけでは慰謝料を請求することは難しいため、他の証拠と合わせることで、請求が認められる可能性を高められます。
他の証拠として例えば以下のものを挙げることができます。
・電話の記録
・交通ICカードの履歴
・日記
・クレジットカードなどの利用明細
◾️まとめ
今回は、LINEやメールだけの関係で浮気・不倫の慰謝料は請求できるのかについて解説しました。
慰謝料の請求が可能な場合もありますが、不貞行為が証明できない状況では難しいのが一般的です。
さらに、慰謝料の請求が認められるかはそれぞれの個別具体的な状況によって左右されるため、弁護士に相談することをおすすめします。
MYパートナーズ法律事務所では、東京都荒川区、足立区、文京区、葛飾区、千葉県松戸市を中心に、一都三県の離婚問題に関するご相談を承ります。配偶者の浮気や不倫の慰謝料請求についてお悩みの方は当事務所までお尋ね下さい。
LINEやメールだけの関係で浮気・不倫の慰謝料は請求できる?
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