離婚について話し合うときに子どもとどう付き合っていくのかは重要な要素です。
どれくらいの頻度で会うのか、付き添いは必要かどうかなど面会交流権において決めておくべきことは多岐にわたります。
今回は、面会交流権で決めておくべき内容や話し合いが進まない場合の対処法について解説します。
■決めておくべき内容
面会交流権とは、民法によって定められた親が子に会う権利のことです。
親と子の交流は離婚した後においても、子の福祉と成長にとって重要であると考えられているため、面会交流権は民法によって定められているのです。
それでは、面会交流権において決めておくべきことを紹介していきましょう。
・日時
事前に決めておくことで面会を行いやすくなります。
「何曜日の何時から」というように具体的に決めておいた方がより面会を行いやすくなります。
・頻度
月に何回、面談を行うかなどどの程度の頻度とするか決めておくことで離婚から時間が経過しても面会を行いやすくなります。
・1回あたりの時間
何時間まで面会を行えるかなどを決めます。
離婚した後に、子どもの成長や年齢によって面会の時間を変えることもあります。
その際、元夫婦同士の話し合いも重要ですが、子ども本人の意志も重要になります。
・場所
離婚相手の家で面会をするのか、カフェなどのお店で行うのかなど面会の場所を決めます。
場合によっては遊園地といったテーマパークで面会をしても良いと決めることもあります。
これも、子どもの意志を尊重して決める必要があります。
・子どもを引き渡す方法
特に子どもの年齢が低く、面会場所に一人で行けない場合に重要です。
子どもと付添人が一緒に面会場所に向かうなど、引き渡しの方法は事前に決めておきます。
・面会以外の交流方法
直接、顔を合わせることができないときに電話やメール、最近ではオンラインミーティングツールを使うこともあります。
他にも子どもが通う学校の行事やお祝い事に参加することが可能かどうかもトラブルにならないように事前に決めておきます。
・プレゼントなどの可否
プレゼントを渡しても良いのか、渡す場合にも渡して予算や内容は元夫婦同士で事前に決めておきます。
お小遣いに関しても、渡すことの可否や渡すとしても上限はいくらかなど決めておきます。
・元夫婦同士の連絡方法
面会当日の子どもの体調や時間に遅れるなど、連絡事項は離婚後もいくつか出てきますので、どのような手段で連絡を取り合うのかは事前に決めておきます。
・祖父母との面会の可否
基本的に、祖父母に面会交流権は保証されてはいませんが、祖父母の方から「孫に会いたい」という要望が出てくる場合もあります。
このような場合に祖父母との面会について可否を決めたり、可能である場合にはその他の取り決めについても決めたりします。
・面会交流を子どもが何歳になるまで行うか
一般的には子どもが成人になるまで行います。
2022年の民法改正によって成人年齢が18歳に引き下げられたので、現在では18歳までが一般的といえます。
子どもが成人に近づくにつれて、面会を行いたいのかどうか本人の要望が強くなる傾向があるため、離婚時には決めないケースもあります。
■話し合いが進まない場合の対処法
上記のことを決める際に、夫婦関係が悪かったり、面会交流権について双方の主張がまとまらなかったりする場合にはどうしたらよいのでしょうか。
当事者同士で話し合いが難航した場合は、調停にて決める方法があります。
調停では、家庭裁判所において、第三者である調停委員を介して話し合いを行います。
また、専門家である家庭裁判所調査官が、子どもの意思や面会が子どもに与える影響などを助言、調査することもあります。
調停においても双方の合意が成立しなかった場合、審判に進みます。
審判では、調停での事実や家庭裁判所調査官の報告書などを基に結論を出します。
上記以外にも、弁護士に依頼する方法もあります。
当事者同士に加えて弁護士を入れて面会交流権の取り決めを交わすことも可能ですし、調停となった場合でも弁護士を代理人として立てることも可能です。
離婚後の子どもに関する議論は精神的にも負担となりますので、負担を軽くする目的でも弁護士の利用はおすすめです。
■まとめ
今回は、面会交流権で決めておくべき内容や話し合いが進まない場合の対処法について解説しました。
決めておくべき内容が多くある上、当事者にとって負担となる場合もあります。
話し合いが進まない場合には弁護士への相談をおすすめします。
MYパートナーズ法律事務所では、東京都荒川区、足立区、文京区、葛飾区、千葉県松戸市を中心に、一都三県の離婚問題に関するご相談を承ります。離婚の際の子の面会交流でお困りの際は当事務所までお尋ね下さい。
面会交流権で決めておくべき内容や話し合いが進まない場合の対処法
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