日本では、離婚後の親権は「単独親権」が原則でしたが、離婚後に親子の関係が断たれてしまうという課題があり、長らく議論の的となっていました。
こうした中で、2024年に民法が改正され、離婚後も父母が協力して子どもを育てられる「共同親権」が導入されることになりました。
本記事では、共同親権の概要、制度導入の背景、施行日について解説します。
共同親権とは
共同親権とは、離婚した後も、父母が共同して子どもの親権を持つことができる制度です。
これまでの単独親権では、離婚後は親権者となった親が、子どもの世話や教育を行う「身上監護権」と、財産を管理する「財産管理権」を基本的に1人で担っていました。
しかし、共同親権という選択肢が加わると、離婚後も父母双方が教育や進学、医療など、子どもの重要な決定に関わり続けることが可能になるのです。
また、共同親権は施行日より前にすでに離婚した夫婦でも、施行後に家庭裁判所に請求し、申し立てが認められれば共同親権への変更ができます。
共同親権制度導入の背景
共同親権制度が導入される背景には、国際的な潮流や、単独親権制度が抱えていた「離婚後の親子関係の断絶」という課題があります。
諸外国ではすでに共同親権が一般的であり、単独親権制度の日本は、国連の「子どもの権利委員会」から法改正を求める勧告が繰り返し出されていました。
また、国内では単独親権によって親子の交流が断たれてしまう懸念や、面会交流や養育費の不履行といった問題が長らく指摘されてきました。
こうした国内外からの指摘を受け、「離婚後も父母双方が子育てに責任を持つべきである」という理念のもと、今回の法改正が行われたのです。
共同親権の施行日
共同親権制度は2024年5月17日に可決・成立し、5月24日に公布されました。
法律では、公布の日から2年を超えない範囲で施行日が定められることになっているため、2026年5月までに施行されると考えられます。
まとめ
2026年5月までに施行される「共同親権」は、離婚後も父母双方が子どもの養育や重要な意思決定に関わることを可能にする新しい制度です。
離婚や親権に関して不安がある方は、自分と子どもにとって最善の選択をするためにも、弁護士へ相談することも検討してみてください。






